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防災ヘリ有料化条例に関する新聞記事

昨日、防災ヘリ有料化条例が可決した。
防災ヘリの有料化で防災ヘリ隊員の命を守ることになる
といわんばかりの賛成派の論調だった。
涙を流さんばかりの討論者がいた。
声高に有料化を主張すれば、
ヘリの隊員の命を守ることができる。
そんな論調だった。
声高にこの条例を訴えれば無罪放免ではない。

防災ヘリ隊員の安全のことを心底そう考えていますか?と私は言いたい。
防災ヘリ隊員のことを心底考えるならば、
遭難者を出さないために、
遭難を抑止するための実効性のある政策を先に行うべきだと思うし、
それが防災ヘリ隊員を心底思うことになる。

私が討論をしている中で、ヤジが飛び交ったが、
本当にこんな認識で大丈夫だろうかと心配になったし、
是非があるこのような議題に
シャカリキになってヤジを飛ばし
討論もしないことについて
憤りにも近い気持ちをもった。

この1か月間、警察、消防、秩父山岳関係者、観光関係者と現地に出向き面談した。

公平性が担保できないから、混乱することが必至だと
心配する声がほとんどだった。
現場をよく知っている人たちの声を聴いたうえで
本当に意思決定しているのか?
答えはNOだ。
お話を伺った方から、本当の話を聞いてもらっていない。
多くの方々から
そう言葉が返ってきた。

防災ヘリに課金し、
県警ヘリ(遭難者の捜索を行うが救助は行わない)には課金しない。
これは矛盾しないか。

山岳救助の場合多くが防災ヘリを出場させないケースがほとんど。
陸上から救助に向かう
県警山岳救助隊や地元消防の捜索や救助は有料化しないで
防災ヘリだけを有料にするのは如何か。

埼玉県の防災ヘリが他都県に応援出場した場合は課金せず、
他都県の防災ヘリが埼玉に応援出場した場合も課金しない。
救助に来てくれたヘリによって課金されたり課金されなかったりするのだ。
例えば遭難した際に携帯電話でどこに
入電するかによっても大きく変わる。
埼玉県の山岳地帯は、
東京、山梨、長野、群馬に接しているため現場が混乱するのは必定だ。

救助された方の経済的な状況も考慮するとのことだが、
それではその線引きをどうするのか?

詰めなければならない課題がたくさんあるのだ。

法律を意識し条例をつくる立法に置く身としては
公平性を最も重視しなければならない。
こんな違和感が多すぎる条例をつくるべきではないと思う。

更に、関係機関や地元関係者の方から言われた言葉は、

「1回5万払えばヘリを使える」
と思われてしまうことが恐ろしい
これでは抑止力にならない。

「1回5万払わなければ登山をやめた方がいい」
と思われてしまうことが恐ろしい
これは観光客数の減少につながる。

登山愛好家が観光客がこの両面とも考えてしまうことが恐ろしい。
議員諸兄に、本当にこのことを考えていますか?と言いたい。
だからもっと丁寧な議論をする必要がある。

又、本当に守らなければならないのは、
ちゃんと準備をして登山をしていた方が遭難したり
急な体調不良で救助を余儀なくされた方々の命を守ることだ。
賛成派は、登山も自己責任だから、登山保険に入るのがあたりまえ。
例外なく登山保険に入ればそれで大丈夫。
本当にそれでいいのか?

私が登山道の整備が先だといえば、
賛成派は、とてつもない予算が必要だから
ヘリ有料化が最も効果的な対応策だ。
本当だろうか?

他都県にまたがる埼玉の山道は、
一般登山道がお粗末すぎると山小屋関係者から指摘をうけた。
私も実際登ってみたが、その通りだと思った。

秘境にまでちゃんとした林道をすべてつくることまでしたら
大変なお金がかかる。
私はそんなことを主張しているのではない。
そうではない。

この間、山岳救助を行ったすべてのケースを調べて見た。

普通の山道でも体調不良で救助が必要になることがある。
普通の山道でも救助は必要になる。
山登りをするのは高齢者が多い。
体力の低下で普通の道で足を踏み外し滑落するケースは
びっくりする程多いのだ。
普通の道で発生するケースがとても多いのだ。
そんな山登りにまで登山保険にすべて入れというのだろうか?
そんなことをすれば、それこそ観光に大きな影響が出る。
登山保険にはいるのは、難しい登山道を登るときでいいと思う。

登山観光で収入を得ようとするなら、
まずその登山道をしっかりと整備することが責任ある対応だ。
すべての登山道をすばらしいものにしたら、
賛成派は、とてつもない予算が必要だと言った。
そうではないのだ。
普通の登山道の整備がなされていないのだ。
道迷いの遭難救助がかなりあった。
道標があれば大丈夫だったと思われるケースも多数ある。
道標の設置も山道整備の一つだ。
秘境のような場所まで山道整備をしろ
と言いたいのではないのだ。
救助されるケースには、傾向がある。
この傾向をしっかりと分析し、
抑止策としての一連の山道整備をすべきだ。
そのことを言いたいのだ。

こんな緻密な分析をした上で批判するなら批判すればいい。
ヤジればいい。
しかし、その様には思えないのだ。
これこそ現場を考えていない議論だと言いたい。
地方自治体の議員は、最も市民に近い立場。
そんな綿密な対応を行うことが
地方自治体議員の使命であるはずだ。

残念ながら昨日、防災ヘリ有料化条例は可決してしまった。
私は討論した通り、
登山届の義務化と最低限の登山道の整備を
しっかりと行っていきたい。

私が本会議場で行った討論の内容を掲載いたします。一部割愛した内容もありますがご覧ください。

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みなさん、おはようございます。61番、民進党・無所属の会の菅克己です。議第2号「埼玉県防災航空隊の緊急運行業務に関する条例」の一部を改正する条例について、会派を代表して反対の立場から討論をいたします。

平成22年に発生した県防災ヘリ墜落事故において犠牲になられた5名の隊員の皆様に、改めてご冥福をお祈りしたいと思います。平成25年7月27日に「彩甲斐街道(さいかいのみち)出会いの丘」にて行われた埼玉県防災航空隊「あらかわ1号」墜落事故殉職者慰霊碑除幕式が行われました。ご遺族の中に学生服を着た男子中学生が妙にブカブカの革靴を履いていることに気付き、理由を伺うと、「父の遺品の革靴です。父の形見を身に着けて参列したかったのです」と話してくれました。ご遺族のことを考えると身に詰まされる思いでした。旺盛な責任感のもと、身をもって任務の完遂に務め、志半ばにしてその職に殉じられた事実を、我々は決して忘れることはありません。人命救助という崇高な任務を果たすべく、殉職された5人の功績を末永く後世に伝えるとともに、安全への架け橋となって空から見守っていてくれる5人の仲間の意志を我々はしっかりと胸に刻み二度とこのような惨禍を繰り返さないことを誓いたいと思います。

今回の条例の根底に流れるのはこのような惨禍を繰り返さないための条例であることは痛いほどよくわかります。ただ、年間28万人とも言われる登山客を受け入れている地域の観光に影響が出る可能性があること、尚且つ実効性のある施策を実施することなく性急に防災ヘリに課金すること、課金することの公平性について等、大きな違和感を感じるところです。

本条例の策定の契機になったのは、この事故がきっかけでありますが、この事故がいかに特異な事案だったのかを認識すべきです。そして、特異な事例を基準に考えるのは如何かという視点が重要だと思います。死者を出したこの登山グループは、沢登り、すなわち川の中や谷をのぼるという上級者が行う登山分野でありました。その登山に、充分に訓練もされていない初心者の高齢者を多数連れて行き、初心者をフォローする同伴者も数少ない状況だったと聞きます。またこの登山グループが遭難した際に、死亡者を負傷者として偽り、本来は防災ヘリの出場のケースではない状況のなかであえて要請したこと。防災ヘリを出場させるのが当たり前のように不遜な態度で出場要請をしたこと。沢登りをした場所は、地元の人にとっては絶対に入ってはいけない場所として知られており、それを認識していた上で登山を敢行したこと、はあまり知られていません。この登山グループは、あまりにも無謀で常軌を逸した登山を敢行した結果、多くの人命を失わせた訳であります。ただ、このような安易で無謀で身勝手な登山を行うグループや登山者は、埼玉県警秩父山岳救助隊、埼玉県防災航空隊、秩父山岳連盟の皆様のヒアリングをしても、例外中の例外だと捉えられています。

提案理由の説明の中に「防災航空隊の山岳救助が高止まりしている」とのくだりがありました。しかし、実態はここ数年減少傾向であり昨年の山岳出場は11件、うち救助(収容)に至ったケースは5件だけでありました。関係機関の印象では危機的な状況とは受け止められていない状況です。

自民党の条例改正に向けたパブリックコメントでは、賛成6件、反対9件と伺いました。反対意見が多かった訳です。パブコメの性質上、内容は公表するのが筋だと思いますが公表されませんでした。本条例には、影響を受ける関係者が多数存在します。遭難者が出た場合労力を惜しまず協力をして下さる地元山岳関係者、遭難者が発生した場合には中核となって救助の環境を整備してくださる山小屋を運営されている方々、地元で観光業を営む方々、観光が柱になっている自治体、地元警察や山岳救助隊、地元消防や防災航空隊等々。これらの方々に十分な意見聴取が必要だと考えますがパブコメだけの意見聴取でありその声が十分に吸い上げられたとは言い難いと思います。それを補うべく所管委員会において我が会派は、参考人招致を求めました。公平性を期するために、賛成派と反対派のそれぞれ1名または1団体ずつ参考人招致を要望した訳ですが叶えられませんでした。

私たちはそれを補うべく、独自に埼玉県防災航空隊、埼玉県警山岳救助隊、山岳救助隊の協力員、秩父山岳連盟、秩父観光協会、日本山岳協会の皆様に各1時間ずつ面談いたしました。山岳救助隊の協力員、秩父山岳連盟、秩父観光協会、日本山岳協会の方々はこぞって慎重であるべきだとの意見をいただきました。また、自民党県議団に対してパブリックコメントにおいて反対の意見を送付しましたが、その意見について直接ヒアリング等の意見聴取をしてもらえなかったことも伺いました。

マスコミの報道や私たちのヒアリングによると、埼玉県岳連は賛成の立場であったと聞きました。しかし、埼玉県岳連に加盟されている秩父山岳連盟は反対でありました。埼玉県岳連は主に県外の有名な山を登山する愛好家であり、一方の秩父山岳連盟は埼玉県岳連の構成組織ではありますが地元秩父の山を守っている方々、現場を守っている方々です。お話を伺った限りでは、埼玉県岳連内部で本件について総意を取り付ける議論は全く行われておらず、秩父山岳連盟の方々は憤慨されていますし、そのような発言をされた会長の責任問題にまで言及されています。埼玉県岳連のパブコメやご意見については、団体の総意として受け入れがたい状況であり、それが大きな後押しになるものとは思えません。ちなみに上部団体である日本山岳協会は、慎重であるべき旨の意思表示をされています。

他の利害関係者では、小鹿野町議会において、今回の防災ヘリ有料化を反対する意見書が可決しておりますし、秩父山岳連盟や秩父観光協会からも反対の旨の要望書が各会派に届いております。

先進自治体である長野県においても防災ヘリ有料化の条例が出来ましたが有料化は未だ凍結されているとのこと。地元の理解が充分に得られない状況だったことから未だに実行していないようです。

この条例には、公平性に欠け現場判断が多すぎるため現場を混乱させるもとになりかねないものだと考えます。例えば、防災ヘリに課金し、遭難者の捜索を行うが救助は行わない県警ヘリには課金しないことは矛盾しないでしょうか。また、山岳救助の場合多くが防災ヘリが出場をしないケースがほとんどでありますが、陸上から救助に向かう埼玉県警山岳救助隊や地元消防の捜索や救助は有料化しないで防災ヘリだけにかけるのは如何でしょうか。もし安易な登山が行われたとして、防災ヘリ救助が難しい場合、例えば、夜間、天候不順、地理的条件等は当然陸上からの救助になり、その危険度は防災ヘリと同様、地上救助を行う県警山岳救助隊や地元消防等同じはずであります。ヘリには課金し、地上救助隊に課金しないのは公平性の観点からも違和感を感じます。また、県防災ヘリが他都県に応援出場した場合は課金せず、他都県の防災ヘリが埼玉に応援出場した場合も課金しない。救助に来てくれたヘリによって課金されたり課金されなかったり。埼玉県の山岳地帯は、東京、山梨、長野、群馬に接しているため現場が混乱することを心配する意見が多数あったことを付け加えたいと思います。

山岳遭難の防止を目的に、防災ヘリに課金するのは埼玉県が初めてのケースです。富山、群馬、長野、山梨、静岡、新潟、岐阜などは、無謀な登山の防止、山岳遭難の防止のため、条例によって登山届の提出を義務付けたり、届出を出さない場合は罰則を設けたりしています。また、その義務付けをする場合は県の条例で規制されている訳ですが、その条例の中には、県側の責務として遭難や事故の多い登山道の整備をしたり、道迷いの遭難を防ぐために道標を設置したり、罰則を科す前に本来やらなければならない効果の高い施策を行っています。埼玉県内の山小屋関係者は、埼玉県内の登山道は隣接する他県に比べ格段に見劣りしていると一様に口を揃えています。埼玉県の場合、その施策を実施することを飛ばしていきなり罰則化することになりますが、やはり手順を踏むべきであります。先行自治体の富山、群馬、長野、山梨、静岡、新潟、岐阜等の県が全国に先駆けて防災ヘリの有料化を行うならわからなくもありませんが、その途中の手立てを飛ばして罰則を科すことに違和感を感じます。

ちなみに救助を担っていただいている警察や消防関係者のヒアリングでも、登山届を出すことによって登山者の事前の準備が充実すること、また遭難した場合にも捜索のポイントが絞られて警察、消防や山岳連盟の皆様がやみくもに無駄な動きをせず焦点を絞って捜索を開始することが可能であり、早期発見、早期救助につながるので好ましい策だというご意見が多数ありました。私たちは防災ヘリ有料化の前に登山道の最低限の整備と登山届の提出の義務化条例の制定をすることが先と考えます。

以上反対討論といたします。