ブログ
知事は「県内に存在しない公営屋内50mプールの新設計画策定に着手する旨」の回答を頂きました。昨日(6/23)6月定例県議会の私の一般質問にて、宣言していただきました。
この間、県水泳連盟、学校関係者、スイミングクラブ等の多くの水泳関係者の皆様からご意見を頂戴し、何とかしたいとの思いから今回の定例県議会で水泳選手が置かれている過酷な状況を訴えさせていただきました。
早くプールが完成するよう今後とも積極的に働きかけていきたいと思います。
6/29(木)午後8時からテレビ埼玉の県議会ニュースで質疑の内容が放映されますので、ご覧ください。
当日行った水泳関係者の想いが詰まった私の質問内容を原文のまま掲載いたしますので、ご覧ください。
<私が行った一般質問内容>
「屋内の50メートルプールと飛込プールの建設について」
昨年、娘が参加する県内の競泳競技の大会に何回か付き添いをしましたが、過酷な競技会の実態を目の当りにしました。大会の多くが25mプールではなく50mプールが主流です。ところが本県には屋内の50mプールがありません。
ある日の大会では、太陽の出ない雨の寒い日、水温20℃をようやく超える程度。気温は25℃を切る肌寒い中でブルブル震えながら、ウォーミングアップして、身体が冷えてしまって、寒い中で出番を待ち、縮こまる状況でタイムを出さなければなりません。低水温の時には選手が過呼吸症状を起こすことがかなりあります。
またある日の大会では、炎天下の焼き付くような日差しのもと40℃近くにもなる状況で、汗だくになりながら、ウォーミングアップして、暑い中で体力を消耗しながら出番を待ち、タイムを出さなければなりません。熱中症になった選手が救急搬送されることが必ずあります。
各種競泳競技大会の天候、気温、水温を細かく調べてみましたが、過酷な天候下で開催されていることがとても多いことがわかりました。
屋外では日程についても制約を受けます。例えば、雷雨の日でも大会日程の都合上、競技を中断しながら、その日の内に競技を終了させるようなこともざらです。
台風でも中止できない場合は開催日を短縮します。上位の選手ほど、複数種目に出場し予選、準決勝、決勝などが目白押しで、大会中は引っ切り無しで競技が行われ体力的に過酷な状況です。
県大会、関東大会、全国大会と上位の大会を目指して競技会が行われますが、関東大会で会場が埼玉になった場合、選手たちが交わす言葉は、「運が悪い」「どうなるかわからない」というもので、選手も頭をかかえてしまう様です。
屋外50mプールは県営大宮公園にもありますが、施設や設備の関係で公式大会は実施出来ず、県が主催して行う県大会、関東大会、全国大会等は全て川口市青木町公園の屋外50mプールで行っています。県が担うべき様な大会でも、川口市に負んぶに抱っこの状態なのです。
もしこれが屋内プールであれば、水温はいつでも25~28℃程度。プール内には冷暖房があります。雷雨による中断などありません。天候にはあまり左右されません。快適とまではいかないまでも、屋外の過酷な環境や条件で競技に参加することを考えれば、天国と地獄です。
全国大会などに向けた県の予選会においてワンチャンスしかない大会であれば、こんな過酷な環境を押し付けることを良しとはしないはずです。県内で水泳競技の公式記録を得ようとするには、このような他県にはない高いハードルをものともしない体力や忍耐力が求められます。
スポーツ推薦を考えている親御さんがこのような状況をどう捉えるでしょうか?こんな環境なら、親は屋内50mプールのある隣県の学校やクラブチームに席を置かせた方が良いと判断し、間違いなく将来有望な選手を埼玉県は失うことになります。リオ・オリンピックで銅メダルをとった本県の誇るべき競泳選手、瀬戸大也さんも昨年末埼玉新聞が行ったインタビューで、選手の置かれている過酷な状況を語っています。
全国の状況を見ると、公営屋内50mプールがないのは都道府県では15、関東では埼玉と山梨だけです。
更に、併せて飛込プールも必ずセットで建設するべきです。残念なことに屋内の飛込プールも存在しておらず、また絶望的に不足しています。
飛込は水に入ったり出たりを繰り返す競技なので冷えとの戦いです。体が冷えると筋肉が硬くなり、演技に支障が出るだけでなく、硬くなった筋肉は入水時の衝撃の影響をもろに受け、怪我もしやすく、身体に大きな負担を与えます。体を冷やさないために飛込ではジャグジーの設置が必須ですが、屋外でジャグジーが使えなかったりすると、目も当てられません。
また、飛込は秋から冬は屋外で練習が出来ないので、県内に屋内練習場がないため県外の練習場に行くことを余儀なくされ経済的、時間的制約を受けます。
現状の埼玉県の飛込競技は、関係者の身を粉にした献身的ボランティアによってようやく成り立っています。コーチングや施設管理に至るまで、ボランティアに甘えてこのまま放置していると、埼玉県から飛込競技が消失してしまうほど危機的な状況です。
多くの選手や親御さんから、これらの窮状を伺いましたが「屋内50mプールと飛込プールをセットで設置すること」、これは県内で競泳、飛込、水球、シンクロの競技を行っている選手や家族の悲願です。鎬を削る水泳選手達の夢を後押ししていただきたいと思います。
これまで議会側から多くの議員がプール設置を要望する一般質問を行い、建設について出来るだけ県の財政負担を軽減するために、既存施設の活用、PFI方式の採用、市町村との共同事業等、貴重な提案が出されています。
平成24年6月定例会の知事答弁では、百億円以上を要する屋内プール建設コストの問題は、大きなプロジェクトが重なっているので、大規模プロジェクトの推進スケジュールを調整し、できるだけ財政を平準化したいと考えているとの答弁があり、平成24年12月定例会の知事答弁でも「私も思い切って、分かりました、造りましょうと言いたいところですと、その思いには変わりはございませんので、そうしたことをどういう形で実現するかということについて引き続き丁寧に対応したいと思う」と答弁されました。
そこで質問ですが、基本計画の策定だけでも進めていただくことは出来ないでしょうか?県内の競泳、飛込、水球、シンクロ等の競技が置かれている状況、将来有数な選手を育成させるための方針、将来の施設に具備する必要条件等、調査分析から始める基本計画ぐらいは先行させるべきであります。改めて知事のご見解を伺います。
<知事・答弁>
屋内50メートルプールの整備については、これまでも県議会の皆様や埼玉県水泳連盟からの御要望をいただいてまいりました。
今回の御質問をいただき、過酷ともいえる寒さや暑さの下で結果を出さなければならない選手の様子が改めて目に浮かんでまいりました。
こうした状況の中でも昨年のリオデジャネイロのオリンピックにおいて、本県ゆかりの水泳選手の4人がメダルを獲得するなど活躍をされております。
頑張っている選手の皆さんの期待に応えるとともに、水泳王国埼玉を更に一段上のステージに導くため、屋内50メートルプールの整備には大きな意義があると思います。
来る東京2020オリンピック・パラリンピックにおいても、本県ゆかりの選手にリオオリンピックを超える活躍を期待したいと思います。
水泳に関心が集まる今、将来のアスリートを目指す子供たちに夢を与えるとともに、県民が水泳に親しめる環境整備が必要です。
屋内50メートルプールの整備については、これまで他県での導入手法の研究などを進めてまいりましたが、今後はその実現のため、更に前に進めてまいります。
その際、例えばPFIをはじめとする官民連携の事業手法など、維持管理費を含めて持続的に運営するための財政面の課題や事業主体の検討が極めて重要です。
また、5か年計画で設置の検討を進めることとしたスポーツ医・科学拠点施設との機能面での相互補完なども考えなければならないかもしれません。
さらに、トップアスリートだけではなく県民の健康増進という観点からも50メートルプールを生かす手法が必要でありますので、幅広い視点から整備手法や機能などの調査、検討を行うように、今回、しっかり担当部局に指示をさせていただきました。
なお、屋内の飛込プールについては、更に多額の整備費や維持管理費を要することになりますので、まずは屋内50メートルプールを優先しながら考えていきたい、このように思っております。
屋内50メートルプールの実現のために、しっかりと歩みを進めてまいります。
<菅・一般質問つづき>
また、飛込競技の灯を消さないためにも、多くの支援が必要です。その中で、埼玉県体育協会が行っている「プラチナキッズ事業」に飛込競技も何らかの形で盛り込めないか、県民生活部長に伺います。
<県民生活部長・答弁>
ジュニアアスリート発掘育成事業、いわゆるプラチナキッズ事業は、スポーツ能力に優れた素質を持つ小学生を発掘し、発達段階に応じたアスリートの育成プログラムを実施するものです。
これまでもこの事業をとおして、自分にあった新たな競技と出会い、国際大会で活躍する選手が育っております。
具体的には、小学校4年生30人を認定し、小学校卒業までの3年間、トップアスリートによる実技指導や女子栄養大学による食育指導などをおこないます。
また、子供時代に経験することが少ない競技を体験させ、自分の特性に合った競技を見出し、その後の活動に結びつける競技体験教室も実施しています。
現在、フェンシングや馬術などの19競技を体験教室の対象としていますが、飛込は含まれておりません。
飛込競技は、子供時代に経験することの少ない競技の一つであり、その競技を子供時代に体験させることは、未来への可能性を広げるものと考えます。
今後、競技団体と指導者や場所の確保、安全対策について調整を図り、飛込競技の体験教室を実施できるよう準備を進めてまいります。